海外へ旅行に行ったら、現地の市場に行きますか?
私は、必ず現地の市場へ足を運びます。もちろん撮影のためですが、日本とは違う食材や商品がたくさん並び、地元の人たちで活気あふれる雰囲気に身を預ける。
私が市場、特に海外の市場が大好きな理由は、2つ。
- 地元の人たちで賑わい活気に満ちあふれて、エネルギーを感じる
- 市場を見ると現地の経済状況がわかる
私の場合、普通の観光ではなく一眼レフカメラを持って行く撮影です。現地の撮影では、知らなかったが故にこれまで数々の失敗をしてきました。トラブルも経験しています。
これから述べる写真撮影の注意点は、主にヨーロッパやロシアなどの国について。基本的な内容は、世界中どこでも通じると思うのですが、イスラム教など宗教上厳格な地域では、もしかしたら一部当てはまらない場合もあるかもしれません。
自分の経験を踏まえて、海外の市場での写真撮影で私が気をつけていること5つを紹介します。
目次
いきなり撮影せずに、カメラを見せて撮影許可をもらう
旅行で訪れた海外の市場で写真を撮りますか?撮りますよね?記念撮影でも記録としてでもいいんですけど。
市場の雰囲気や店頭に並んでいる商品をいきなり撮影しますか?それってお店の人に対して失礼ですよ。
例えばですが、あなたがお店の人だとします。商品を広げて販売しているときにカメラを持った見慣れない客が来て、何も言わずにいきなり写真を撮られたら、どう思いますか?「なんだコイツ?」と不快に思うでしょう。しかもその客は商品を買ってくれないとなるとなおさらです。
お店や扱っている商品の写真を撮影する場合は、持っているカメラを相手に見せて撮影許可をもらいましょう。
撮影許可をもらうのに難しいことは何もありません。持っているカメラをお店の人に見せて「O.K?(オーケー?)」または「Photo, O.K?(フォト、オーケー?)」と尋ねるだけ。
右手に持っているカメラを左手の人差し指で示しながら尋ねると、もっといいでしょう。
このときに大事なのは、必ず相手の目を見つめながら優しく語りかけること。
日本人は相手の目を見つめてコミュニケーションをとることは、何か失礼だとか、相手を威嚇する挑発的な行為だ、ととらえる人が多いですが、海外では必ず相手の目を見つめながら会話をしないと誤解を与えます。
自信がない、何かやましいことがあるのではないか、と思われてしまいます。
アイコンタクトをしっかりやりましょう。
日本と違って、海外はオープンでフレンドリーな人たちが多いので、快く撮影O.K.であることが多いですよ。極まれに嫌がるお店もありますが、そのときは潔くあきらめましょう。
商品を買ってあげたりすると、たとえ言葉がわからなくても、そこから現地の人たちとの交流が始まることもあります。
▼セルビア ノヴィ・サド フトーシュカ市場
絵画・木工品などの美術品・工芸品などは撮影しない
美術品や工芸品を路上や市場で販売しているのを見たことがありませんか?
撮影したらダメですよ。
昔、写真を撮っていたらお店の人に怒られてトラブルになったことがありました。当時は、なぜ怒られるのかわからなかった。知らなかったが故の行動だったのですが、今はしません。
なぜ撮影してはいけないのかというと、絵画・木工品などの美術品・工芸品などは、著作物だからです。
著作権に関してはここでは詳しく述べませんが、現地でトラブルに遭わないよう撮影を控えましょう。お店の人に撮影許可をもらおうとしても、断られることがほとんどです。
▼悪い一例として載せますが、このような写真を撮ってはいけません。ダメですよ。
ウクライナ キエフ アンドリューフスキー通り
ジプシーが売っている商品にカメラを向けない
よく言えばフリーマーケットですが、いわゆる”ガラクタ市”でのこと。
ヨーロッパではジプシーとおぼしき人たちが”ガラクタ”を売っていることがあります。
ジプシー(gypsy)は、一般にはヨーロッパで生活している移動型民族を指す民族名。転じて、様々な地域や団体を渡り歩く者を比喩する言葉ともなっている。外名であり、当人らの自称ではない。(Wikipediaより)
明らかに欧米系とは違う顔立ちで、彼らの持つ雰囲気も独特なので見るとジプシーなのかすぐにわかります。
ジプシーとおぼしき人たちが食料品を扱っていることは、今までの私の海外経験では見たことがなく、ジャンク品のような家電やお世辞にもきれいとは言えない日用雑貨、道具類、使用感が感じられる服や靴などを売っています。
▼セルビア ノヴィ・サド ナイロン市場(ガラクタ市の一例としての写真。ジプシーとは関係ありません。)
で、何が問題なのかというと、彼らが商品として扱っているものが、どこかで拾ってきたものか、もしくは’’盗品”である可能性があります。必ずしもそうとは限らないのですが、一応そのことは頭に入れておいてください。
客が、ましてや我々のような海外からの旅行者が、売りに出している商品を見て拾得物や盗品であるかどうか確かめようがありません。
以前、ジプシーとおぼしき店主にカメラを見せて撮影許可をもらおうとしたら、ひどく怒られて追い払われた経験が何度かありました。
当時はなぜ撮影を嫌がるのか理由がわからなかったのですが、現地の友人や知人から、「彼らジプシーが売っているものは、怪しいものが多い」と聞かされて納得しました。何か後ろめたいのでしょう。
写真を撮ろうとして店の人ともめ事になるのはよくありません。無用のトラブルを避けるためにも、彼らの商品にはカメラを向けないほうが賢明です。
市場の雰囲気を伝える写真だけでなく、商品のクローズアップフォトも狙う
写真の撮り方について。
これは文章で説明するより、作例を見せたほうがわかりやすいでしょう。
▼市場の様子がわかる写真もいいのですが・・・
▼このように扱ってる商品をアップで撮ってみてはいかがでしょうか?。もちろん撮影許可をもらいます。
オーストリア ウィーン ナッシュマルクト
▼辛そうですね〜。日本ではこのような売り方をしていないので、珍しいですね。
ハンガリー エゲル 中央市場
▼エラを見せて魚の新鮮さをアピールしています。
トルコ イスタンブール ユスキュダル・フィッシャーマンズ・マーケット。
▼狙う写真は、食べ物だけではありません。こんなオシャレな皿を日本では見たことがないです。
オーストリア ウィーン ナッシュマルクト
▼壁一面に服。このような陳列の仕方は、海外ならではですね。
トルコ イスタンブール ベイオール地区
スリ
市場に限ったことではありませんが、海外ではスリに警戒しましょう。
スリは大抵、観光客が多く集まる観光地や乗客で混み合うバス、地下鉄などの公共交通機関で悪事を働きます。
しかし、地元の人たちが買い物をする市場にもスリはいる、と考えて警戒したほうがよいと私は考えています。
日本人の身なりは、海外の人たちと比べて小綺麗ですよね。清潔感がある服装で地元民とは違う顔立ちの異邦人がカメラを持って市場内をウロウロしている姿は、嫌でも目立ってしまいます。私の場合は、一眼レフカメラにレンズを付けているので余計ですよ。
なるべく目立たないように振る舞っているつもりでも、外見や雰囲気から地元民ではないことがわかるので、金を持っている、または金目の物を持っているだろうと目を付けられます。
幸いにも、私はこれまで一度もスリの被害に遭ったことがありません。たまたま運が良かっただけかもしれませんが、これからも被害に遭わない保証はどこにもないので、海外では周囲への警戒心を怠らずに行動します。
さいごに
これまでの私の経験から、海外の市場での写真撮影で気をつけていること5つを書きましたが、先に述べたように地域によってはさらに別の注意点があると思います。何か新たな注意点があれば、追記します。
写真を撮って現地でトラブルになってしまっては、せっかくの楽しい旅が台無しになってしまいます。ちょっとした知識を事前に身につけていれば、嫌な思いをせずに済みます。