Adobe(アドビ) のLightroomというソフトで写真を現像中、ハードディスクがいっぱいになり作業がストップしたので、新たにハードディスクを購入したお話です。
急ぎの用事のときに限って、なぜかしらトラブルが発生する。
空き容量を増やすために家にある別のハードディスクに画像を移動しません。どこにどの画像を移動したのかわからなくなり混乱するからです。
それよりも新しいハードディスクを購入して、すべての画像を丸ごと移したほうが、今後のためにいいと考えました。
ネット注文だと届くまでに数日かかる。待っていられない。
仕事で写真提出の締め切りが迫っていたので焦っていました。ということで、大容量のハードディスクを求めて直接お店へ。
購入したのは、HGST Deskstar NAS 8TB (0S04012)。
どんな製品なのか?使ってみたファースト・インプレッションです。
目次
ハードディスクがすぐにいっぱいになる
製品紹介の前に、シャッターボタンを押した瞬間にメモリーカードに書き込まれる画像の記録形式について。
デジタル写真をRAW(ロー)画像でガンガン撮影していると、ハードディスクがすぐいっぱいになってしまう。だから、家の中はハードディスクだらけ。
以前は、RAW(ロー)+JPEG(ジェイペグ)の両方を同時記録していましたが、JPEGで撮影した画像を後で見返すことがなく、RAW画像をLightroomで現像しているので、最近はもっぱらRAWのみで撮影。
RAW(ロー)って何?JPEG(ジェイペグ)との違いは?
下記のブログがわかりやすく解説しているので、興味のある方は参照してくださいね。
ログカメラ:徹底解説!RAWとJPEGの違いをできるだけ詳しく説明してみる!
写真よりもファイルサイズが大きい動画をたくさん撮っているユーチューバーは、写真家よりも大容量のハードディスクを大量に所有していると思います。どうやってハードディスクの管理をしているのでしょうか?
WD Red NAS用かHGST Deskstar NASか
これまで主に使用していたハードディスクは、Western Digital(ウエスタンデジタル)の耐久仕様ハードディスク、WD Red NAS用。
今回新しくハードディスクを購入にあたり、再度WD Red NAS用でもっと高容量にするか、別メーカーにするか悩みました。
WD Red NAS用よりも故障率が低いハードディスクメーカーがあるという記事を目にしたからです。
GIGAZINE(ギガジン):
8万台以上のHDDを運用するBackblazeがHDD故障率の2017Q1レポートを発表、大量導入した高価なエンタープライズ向けの故障率は?
記事中に「HGST製HDDの故障率の少なさは驚異的なレベル」と書いてある。
逆にWestern Digital(ウエスタンデジタル)の「WD30EFRX」は、故障率が高いモデルとも書いてある。今まで特に不具合も障害もなく順調に使用していたけど、そうなのか?
HGST(エイチ・ジー・エス・ティー)は、WD(ウェスタン・デジタル)傘下のハードディスクドライブメーカー。
HGSTのハードディスクは信頼性が高いらしいという情報は、以前からなんとなく知っていましたが、これまで一度も使ったことがありません。
店頭で某パソコンショップの店員さんにどちらがいいのか相談すると、「HGSTのハードディスクは故障率が低いので、グーグルのサーバーに使われていますよ。」と言ったので、HGSTを購入決意。
この一言がなければ、WD Red NAS用を購入していました。
購入したのは、GIGAZINE(ギガジン)の記事中のレポートに載っている型番とは違うハードディスク。10TBが在庫切れなので、8TBを選択。
▼HGST Deskstar NAS 8TB パッケージ版 3.5インチ 7,200rpm 128MB SATA 6Gb/s 【3年保証】 0S04012。型番は、HDN728080ALE604
グーグルが使っているなら間違いないでしょう、と安易に考えました。実際に使ってみてどうだったのかは、後ほどお伝えします。
何年経っても変わらない魅力ないデザイン
▼箱を開けると、ハードディスクがこのように梱包されていました。
▼内容物は、ハードディスク本体、ネジ、取扱説明書類。
▼昔からほとんど変わらないデザイン。まったく魅力を感じません。もっと何か興味をそそられるデザインにしたらいいんじゃないの?と思う私。
▼”APR-2017″は、2017年4月製造の表記なのか?
▼裏面は、基板むき出し。これも昔とほとんど変わらない。
ハードディスクメーカーは、デザインを考えないんですね。
パソコンの中に隠れて人の目に触れることがないから、味気ないデザインのままでいいと考えているのか?
マッキントッシュの開発で「プリント基板のパターンが美しくない」と言ったスティーブ・ジョブズに対して、「パソコンの中を開けて見る人なんていない」と食って掛かったエンジニア。「オレが見るんだよ、やれ」と反論して基盤設計のやり直しをさせたことがありました。
ユーザーが普段目にすることがない、どんな細かいところまでも徹底的にこだわることが、ただ使えればいい単なる製品ではなく、品質を高めるとともに圧倒的なブランド力につながる。
もし、アップルがハードディスクをデザインしたら、もっとクールなモノができると思う。アップルは、絶対に作らないけどね。
シックな金属面のハードディスクケース
ハードディスクを入れるケースも購入しました。
▼Inateck 2.5/3.5インチ USB3.0 HDD外付けケース「FE3001」
▼箱の裏面にモデル名と英語でスペックが記載されています。
▼内容物は、ケース、アダプター 、USB3.0ケーブル(100cm)、ゴムパッド(予備用)、ネジ、ドライバー、取扱説明書。
▼取扱説明書は英語ですが、特に難しい操作がないので、なくても大丈夫。
▼ケース表面が放熱対策としてアルミが使われています。金属でありながら木目のように見える不思議なデザイン。ツヤありのように見えて、指紋の跡はほとんど残らない。シックなデザインで質感はいいですよ。
▼電源スイッチとポートがある側面は、プラスチック。
▼底面に滑り止めのゴムパッドが、四隅に付いています。
▼電源スイッチ側のネジ2本を外して、基板ユニットを取り外します。
▼基板ユニット。ハードディスク取り付け中にコンデンサーが曲がってしまったので、取扱に注意しましょう。
▼ハードディスクの金属端子を基板ユニットのコネクターに差し込みます。
▼押し込みが足りず、ケース装着後、Macに接続しても何の反応もありませんでした。再度、ハードディスクを装着する羽目に。グッと押し込みましょう。
▼付属のネジと予備のゴムパッド。
▼シルバーの短いネジでハードディスクを固定します。
▼LEDランプを保護する透明なプラスチック(赤い矢印)は、基板ユニット脱着中に取れやすいので、取扱に注意が必要です。
▼ハードディスクを装着した基板ユニットをケースに入れます。
▼黒くて長いネジを締め付けて、ハードディスク装着完了。
ハードディスクの初期化とフォーマット
購入したハードディスクは、そのままでは使うことができません。
MacならMac用に、WindowsならWindows用に使える形式にしなければなりません。MacでもWindowsでも両方に対応した形式にもできます。
ところで、ハードディスクの「初期化」と「フォーマット」の違い、わかりますか?
実は私も同じ意味だと勘違いをしていましたが、調べてみると、
- 初期化:パソコンでハードディスクを認識できるようにデータをすべて消すこと
- フォーマット:パソコンに合わせて使用できる形式にすること
ネット上では同義のように扱われていますが、厳密には違うのですね。
Macなら初期化とフォーマットが1つの作業で完結
▼初期化せずにMacに接続すると、このようなメッセージが表示されます。「初期化」をクリック。
▼ディスクユーティリティを起動しても初期化とフォーマットができますよ。
▼接続したハードディスクはHGST Deskstar NASではなく、ケースの「Inatec ASM1153E media」、「8TB 未初期化」と表示されていますね。「消去」を選択して初期化とフォーマットをします。
Macでは、ディスクの初期化とフォーマットが1つの作業で完結しますが、Windowsは「ディスクの初期化」と「パーティションのフォーマット」の2段階の作業が必要になる(と思いました。Windowsを使わないので、よくわかりません。間違っていたら、ごめんなさい。)
▼いろいろ設定できるところはありますが難しく考えず、このまま「消去」をクリック・・・して後からちょっと後悔しました。
フォーマットを「OS X 拡張(ジャーナリング、暗号化)」にすればよかったな、と。
OS X 拡張(ジャーナリング)は、Macだけで使用する普通の形式。自宅などで通常利用ならこれでいいのですが、ハードディスクを持ち歩くなら、暗号化したほうが安全。
▼クリックして、一瞬で終わります。
▼サイドバーの「Inatec ASM1153E media」の下に「名称未設定」が現れました。ハードディスクをMacに接続したときに表示される名前を自分がわかりやすい名前に変更します。私は、「HGST Deskstar NAS 8TB」にしました。
▼これでハードディスクがMacで使えるようになりました。
「使用済み:1.49GB」って何でしょうか?
Macで使える形式にするために何らかのファイルが1.49GBも必要なのか?
ナゾですが、気にせずこのまま作業を進めます。
Lightroomのカタログ移行
デジタル写真の画像処理と管理を行うLightroomのカタログを新しいハードディスクに移行します。
画像を管理しているハードディスクは複数台あるのですが、今回はラトックシステムのRS-EC32-U3Rに保存していた画像のLightroomカタログをHGST Deskstar NAS 8TBに移行します。
▼空き容量が、28.6MB。RAW形式の画像ファイルが、1枚保存できるかどうか。最新の一眼レフカメラなら、明らかに容量不足。
RS-EC32-U3Rには、Western Digital(ウエスタンデジタル)のWD Red NAS用 WD30EFRXを2台入れて、RAID1を組んでいました。
これまで障害もなく、問題なく使用していましたし、音も気にならなかったですね。
RAID1(レイド・ワン/レイド・イチ)って何?と思った方は、こちらを読んでください。
基礎から押さえるRAID講座:vol.8 基本的なRAIDレベル RAID1【レイド・ワン/レイド・イチ】
画像の移動ではなく、Lightroomのカタログを移行する
Finder上で画像を新しいハードディスクにコピーするのではなく、「Lightroomのカタログを移行」です。
カタログを移行すると、画像がカタログに紐付けされて新しいハードディスクに移動されます。
ややこしいですね。
下記のブログがポイントを押さえてわかりやすく解説しているので、参考になりますよ。
studio9:Lightroomで一杯になった写真を新しい外付けHDDに確実に移行させる方法!
移行時間
Macがスリープ状態になるとうまく移行できないのではないか、と考えて念のためスリープを解除。スリープしたらエラーが出るのかどうか、実際のところはわかりません。
約3TB分の画像のカタログをUSB 3.0で移行したら・・・10時間近くかかりました・・・。
USB 2.0ではありません。USB 3.0です。
Macの処理能力が関係しているかもしれません。スペックが低いのか?
移行が完了するまでLightroomで作業できないわけではなく、移行途中でも移行が終わった画像から作業ができます。
HGST Deskstar NAS 8TBファースト・インプレッション
ベンチマークソフトと呼ばれるデータ転送速度を測定するソフトを使ったレビューはしません。
どこかのサイトで誰かが記事を書いているでしょう。それに、ベンチマークソフトに書かれている数値の意味が私にはよくわかりません。
ここでは、私が実際に使ってみた個人的な感想だけを述べます。
ウィ〜ン、ゴリッ、ゴリゴリッ、ゴリッ、ガガッ、ガッ、ガーーーッ
電源を入れると、ウィ〜ンとモーターが回転し始める音がハッキリ聞こえます。結構大きな音です。
Western Digital(ウエスタンデジタル)のWD Red NAS用ハードディスクを使っているときは、モーター音は気になりませんでした。モーター音が小さいのか、それともハードディスクケースから音が漏れていなかったかもしれません。
初めてHGST Deskstar NASハードディスクに電源を入れたとき、モーター音が大きくてもあまり気にせず「そんなもんかな」程度にしか感じませんでしたが・・・、
次の瞬間、ハードディスクへのアクセスが始まると、
ゴリッ、ゴリゴリッ、ゴリッ、ガガッ、ガッ、ガーーーッ
「えっ!?」
思わず驚きの声を上げて、ハードディスクケースを見つめる。
その後もアクセスランプ点滅中は、
ゴリッ、ゴリゴリッ、ゴリッ、ガガッ、ガッ、ガーーーッ
壊れてるんじゃないのか?と思うくらいの大きな音が連続して鳴る。
これが本当に最も故障率が低いメーカーのハードディスクなのか?
私のファースト・インプレッションです。
▼電源ONで緑色のLEDランプが点灯、ハードディスクアクセス中は青色のランプが点滅する。
壊れているのか?個体差で”ハズレ”を買ってしまったのかもしれない。それともケースからの音漏れが酷いだけなのか?
Amazonのカスタマーレビューでも音がうるさいとの書き込みがある。
音はうるさいが、今のところ特に障害などなく、順調に稼働している。このまま使い続けても大丈夫なのか?
作動音が聞こえると、「おお〜頼むから壊れないでくれよ〜」と祈りに近い心の叫び声を上げてしまいます。
さいごに
HGST製のハードディスク故障率が本当に低いのかどうかは、ネット上の情報を鵜呑みにするしかなく、実際のところどうなのか、素人の私が確かめ術がないのでよくわかりませんが、
ウィ〜ン、ゴリッ、ゴリゴリッ、ゴリッ、ガガッ、ガッ、ガーーーッ音は、使っていて精神衛生上よくありません。
私はパソコンで作業中、集中するためにいつもMOLDEX 6800 Pura-fitという耳栓をしているので、ハードディスクの作動音が聞こえないようにシャットアウトしていますが、壊れるんじゃないかと内心ヒヤヒヤしています。
デスクトップパソコンが一般家庭に普及し始めた1990年代。パソコンの筐体からハードディスクのゴリッ、ゴリゴリッ、ゴリッ、ガガッ、ガーーッってスゴい音がしていましたよね。
当時は、そういう物だという認識で使っていたし、静音ハードディスクなんてなかった。
WD Red NAS用ハードディスクでは作動音を感じることがなかっただけに、最も故障率が低いメーカー製のHGST Deskstar NASハードディスクの作動音は、今時のハードディスクとは思えない異常さを感じました。
大丈夫なのか?このハードディスク?
せっかく購入したのでこのまま使い続けますが、故障しないように祈るしかないのが現状です。
某パソコンショップの店員は、この作動音を知っていてHGSTを薦めたのか?自身で使っているなら、うるさいですよ、と一言教えてくれるはず・・・。
静音を求めるなら、Western Digital(ウエスタンデジタル)社のWD Red NAS用のほうがいいかもしれません。
たった1台のハードディスクの作動音がこんなにうるさいなら、HGST製のハードディスクを採用していると言われているグーグルのサーバールームは、どんな感じなのでしょうか?ものすごい大きな異音なのかな、と想像します。
さて、HGST Deskstar NASハードディスクのファースト・インプレッションを紹介しましたが、写真を保存するために、このハードディスクを旅に持って行こうと考えています。
え?2.5インチのポータブルハードディスクを持って行けばいいでしょう、と思ったそこのあなた。正解です。普通の人なら、こんなデカくて重いハードディスクを旅に持って行きません。フツーはですよ。
ポータブルハードディスクだと容量が足りないし、クラウドだとネット環境が必要で、RAW形式の画像ファイルが対応していないサービスがほとんどだからというのが理由です。
10TBぐらいのハードディスクを複数台購入してNASを組み、外出先からアクセスできるようにするのが理想ですが、設定する時間と金銭的な余裕がなかったので、しばらくはこのハードディスクを持ち歩きます、重いですけどね。
ハードディスクを暗号化した形式にすればよかったな。もう一度フォーマットし直すか、何か別ないい方法を考えよう。
どうやって持って歩くか、外出先での使用例(といっても、USBケーブル1本で繋ぐだけ)、旅での写真のバックアップ方法などは、別記事にして紹介しますね。