本の朗読を聴くなんて、遠い昔に幼稚園の先生が絵本を読み聞かせてくれたことぐらいか。
ネットやスマホが普及する以前は、値段が高かったこともあり、あまり流行っていなかったと記憶してますが、カセットテープやCDで本の朗読を聴くサービスが一部にありましたね。
書籍を朗読した音声コンテンツは、オーディオブックというらしいのですが、今では、スマホやタブレットのアプリでかんたんに聴ける。
便利な時代ですよ。
本の朗読をアプリで聴く。
Amazonには、Audible(オーディブル)というアプリで本の朗読を聴く月額サービスがあります。
無料体験があったので、申し込んでみました。
無料体験は、通常1ヶ月間だけですが、ゴールデンウィーク期間中で2ヶ月間の無料キャンペーン。
▼2ヶ月無料体験に申し込みました(Amazonの画像を引用)。
なぜAudible(オーディブル)に登録して使ってみようと考えたのか?
そして、実際に聴いてみた感想と”本を聴く”ことに対する自分なりの意見を以下にまとめています。
目次
長距離移動中の車内で本の朗読を聴こうと考える
私が住む某北の大地では、都市から都市へ車での移動距離は長く、場所によっては数百キロ、時間にして5〜6時間も運転するがフツー。
2〜3時間程の運転は、自分にとっては近距離。
長距離運転時、車内でどうやって時間を過ごすか?
車内での有効な時間の使い方をいつも考えていました。
最近は、ラジオをまったく聴かないですね。
聴きたくもない音楽やCMに耳を傾けたくないし、山間部ではラジオの電波が届かない。
自分で車を運転中は、ネットもできないし、本も読むこともできない。
運転以外、何もできない。
目は運転に集中するので、空いているのは耳。
だから、iPadからBluetoothを飛ばしたスピーカーでVoicy(ボイシー)で著名人の発信をラジオのように聴いたり、YouTube Musicで音楽をストリーミングしています。
ちなみに音楽ですが、SpotifyやApple Music等ではなくYouTube Musicを利用しているのは、YouTube Premiumに登録しているので、広告なしの無料で聴けることと、バックグラウンド再生ができるから。
AmazonでAudible(オーディブル)無料キャンペーンがあることを知って、運転中に本の朗読を聴けば、移動中の時間を有効活用でき、さらに教養を高めることもできると考えたので登録しました。
Voicy(ボイシー)、YouTube Music、Audible(オーディブル)。
似たようなサービスはこの他にもいろいろありますが、この3つがあれば、長距離運転をしていても飽きることなく、空いている耳を使って、車内での時間を有効に活用できるでしょう。
移動中の時間をムダに過ごしたくないので、そう遠くない未来に自動運転が実現してくれたらいいのになぁ、といつも妄想しています。
「聞く」と「聴く」の違い
突然ですが、みなさん。「聞く」と「聴く」の違いを明確に答えることができますか?
広く一般には「聞」を使い、注意深く耳を傾ける場合に「聴」を使う。
(広辞苑 第七版より引用)
上記の説明だけでは、今ひとつ釈然としない。
別の辞書を参照すると、
「聞く」は、”音や声を感じとる。また、その内容を知る。香をたく”の意。
「雨の音を聞く」「昔話を聞く」「香を聞く」
「聴く」は、”注意して耳に入れる。傾聴する”の意。
「音楽を聴く」「国民の声を聴く」
(大辞林 改訂第四版より引用)
例文もあり、こっちの方がわかりやすいですね。
なぜ「聞く」と「聴く」の違いをわざわざ書いているかというと理由は2つあって、1つは備忘録として。
自分自身のために書いています。
ググればすぐにわかることですが、どっちがどっちだったかな?と都度ググるのが面倒だから。
そしてもう1つの理由は、Audible(オーディブル)で本を「聞き流す」ではなく、「聴き流す」ことを明確にしたかったから。
何かをしながら注意して耳に入れるので、”ながら聴き”。
”右の耳から左の耳”では、いけないわけです。
聴きたい本が、少なすぎる
Audible(オーディブル)は、毎月付与される1コインで好きな本を1冊無料で聴ける。
この1コインは、月額1,500円より値段が高い本でもOK。
これとは別に、毎月1冊月替わりで無料で本を聴けるボーナスタイトルという会員特典もあります。
ボーナスタイトルで聴ける本が、自分が聴きたい本かどうか別として、1ヶ月で2冊無料。
2ヶ月無料体験なら、合計4冊無料です。
お得ですよね。
こんなお得な無料体験キャンペーンは、そうそうない。
だから登録しました。
登録後、聴きたい本を探す。
一番聴きたかったのは、「金持ち父さん 貧乏父さん」などで有名なロバート・キヨサキ氏の著書。
彼の著書は、1冊1冊が厚くて、読むのにも時間がかかる。
だから、運転中にAudible(オーディブル)で聴ければ・・・なんて考えていました。
が、しかし、検索しても.・・・ない。ない。ないんです。
後でわかったことですが、ロバート・キヨサキ本は、Kindleにもない。
”大人の事情”でAmazonでは、電子書籍やAudible(オーディブル)での販売ができないのか。
登録前に聴きたい本があるかどうかを検索すればいいのに、当然あるものだと思い込んでいたのがマズかった。
一番聴きたかった本がなかったので別の本を探すが、オーディオブックとして扱っている本が少なすぎる。
「40万タイトル以上のコンテンツが楽しめる」とホームページに書かれていますが、よく読むとそれは、外国語で朗読している海外のものも含めての数であって、日本語だけのコンテンツは、かなり少ない印象。
日本語だけだと、どれくらいのコンテンツがあるのか?
コレだ、と思う聴きたい本がない。
ん〜どうしよう。。。
とりあえず、パッと目についたメンタリストDaiGoの「人を操る禁断の文章術」をコインを使って無料ゲットしてみました。
通常価格は2,500円もするので、無料で聴けるのはありがたいですね。
Kindleと同じく”大人の事情”で、iOSアプリからは購入できないので、Macのブラウザからダウンロード。
ファイルサイズは、54.8MB。
メンタリストDaiGoの「人を操る禁断の文章術」は、通常倍速だと聞くのに要する時間は、3時間43分とアプリ画面に表示されている。
再生速度1.0X(1倍速再生)では朗読が遅すぎて、かったるい → 眠くなる
「人を操る禁断の文章術」のナレーターは男性で、柔らかい声。
声に違和感を感じなかったのですが、聴いている途中で朗読速度が自分には合わないと気付きました。
標準設定では、再生速度1.0X(1倍速再生)。
この速度で聴いたら、言葉と言葉の間、文章と文章の間隔の中に適度にとる無言の時間が、聴いている自分には合わない。
要するに、朗読のテンポがよくなかった。
運転中ということもあり、聴いているうちに眠くなってしまった。
Audible(オーディブル)登録前にサンプル音声をデフォルトの1.0X(1倍速再生)で再生して聴けるので、プロのナレーターによる朗読がどんな感じなのか、試し聴きすることをオススメします。
▼サンプル音声を聴ける(Amazonの画像を引用)。
何度も繰り返し聴くと、再生速度を徐々に上げていく
アプリでの再生速度変更は、0.5X(0.5倍速再生)から3.5X(3.5倍速再生)まで変更可能です。
標準の再生速度が自分には合わなかったので、再生速度を変更しました。
最初は、1.1X(1.1倍速再生)。
この速度になれてきたら、次は1.2X(1.2倍速再生)に。
その後、1.3X(1.3倍速再生)と徐々に再生速度を上げました。
自分には、今のところ1.3X(1.3倍速再生)が、速すぎず遅すぎずで丁度いい。
▼再生速度の変更(iPad用Audibleアプリの画像を引用)。
本の朗読を聴くときは最初にこの速度にして、何度も繰り返し聞いてるうちに、さらに再生速度を1.5X(1.5倍速再生)にまで上げました。
どの速度が適切かは、人によって違います。
1回聴いただけでは、本の内容が頭に残らない
自分の頭の悪さは、素直に認めます。
これは、否定しようがない事実。
三歩歩けば忘れるほどの鶏頭ではないが、初めてAudible(オーディブル)を聴き終えたとき「1回聴いただけで本の内容を理解できた人、いるの?」というのが率直な感想。
本を読んだような気分になり、聴き終えたという達成感のようなものは自分の中にあったが、1回聴いただけで本の内容がほとんど頭に残っていなかった。
本を読み終えたときは、端から端まで完全に理解ができなくても、なんとなくでも頭の片隅に内容が残っていますよね。
だけど、Audible(オーディブル)を1回聴いただけでは、内容が頭に残らない。
この違いは、何なのか?
活字を目で追うのと本の朗読を耳で聴くのとでは、脳内の情報処理の仕方が違うからなのか?
家族や友人、知人との会話やラジオなど耳で聴く内容は頭に残るのに、Audible(オーディブル)を1回聴いただけでは、内容を把握していない。
なぜなのか?
1回聴いただけでは本の内容が頭に残らないので、何回も何回も繰り返し聴く必要があると感じました。
何回も繰り返し聴いているうちに、本の内容がある程度わかるようになった。
「目で読む読書」と「耳で聴く読書」
スキマ時間を使ってAudible(オーディブル)で本を聴き流せば、時間を有効活用できるし、教養を高めることもできる・・・なんてアホみたいなことを考えていましたが、実際に使ってみたら現実は少し違った。
1回聴いただけで本の内容が頭に残らないのは、活字を目で追うときにページに付箋を貼る、気になった文言や言い回しにマーカーなどで線を引く、思いついたことをメモするなどの作業が伴わないからか?
Audible(オーディブル)にもブックマーク機能があり、メモを入力できます。
できるのですが、
Audible:「聴く」→「ブックマーク」をタップする → 「メモる」
読書:「読む」→「付箋を貼る」 or 「線を引く」 or 「メモる」
とでは、頭の片隅に内容が残る度合いが、違うと感じました。
なぜ違うのか?
「活字を目で読む読書」と「朗読を耳で聴く読書」との間には、明確な理由がわからないが、相違点があることだけは、はっきりしました。
そして、Audible(オーディブル)利用後に気付いたことが、2つあります。
1つは、本の内容を理解するために、後で同じ書籍タイトルのKindle本を買って読んでしまうということ。
「聴く」だけで内容が頭に残るのは、何度も何度も何度も繰り返し聴いた後。
理解を深めようとすると、読書が必要になる。
そしてもう1つわかったことは、「読む」または「聴く」行為の後。
気になった箇所や内容を再確認したくなったときに、本とAudible(オーディブル)のどちらを参照するかといったら、間違いなく本。
気になった箇所や内容を探す手間と参照のしやすさから本を選ぶ。
Audible(オーディブル)を改めて聴こうとは、思わない。
Audibleを聴いてから本を読むと、速読ができて、理解も早くなる
Audible(オーディブル)に否定的な意見が目立ちましたが、利用する意味がないのかと訊かれたら、ある側面で有効だと答えます。
それは、何回も繰り返し聴いてから本を読むと、速読ができて、理解も早くなる。
気になる箇所や重要なページがどこなのか、逆にそうではない部分がどこなのか、なんとなくでもある程度わかっているので、気になる箇所や重要なページだけを読み、そうではない部分を読まない。
これは、読書のスピードアップになる。
そして、何度も繰り返し聴いているので、本の内容がすんなり頭に入ってくる。
一度も読んだことがない本を初めて読むときと、朗読で何回も聴いた後に本を読むとでは、読む速さも理解度も違う。
だから、Audible(オーディブル)だけを利用して”聴いて終わり”ではなく、
Audible(オーディブル) → 読書
の順番で利用するのがいいと考えました。
さいごに
スキマ時間を使ってAudible(オーディブル)を聴き流すことを否定するつもりはありませんが、初めてこのサービスを利用して私なりにわかったことは、
「本の朗読を聴いても、本を読んだことと同じにはならない。」
Audible(オーディブル)は、本を読む行為の補助的・補完的なものとして捉えたほうがいいと感じました。
内容を把握して、理解を深めて、自分の思考を整理するためには、活字を目で追うことが必要だ。
私にとって「本を読む」と「本を聴く」との違いを考えさせられた体験でした。
使ってみないと、こんなことはわからなかったですね。
期間限定ですが無料なので、一度体験してみてはいかがでしょうか?
使ってみて自分に合わなければ、無料期間が終わる前に退会すればいいですから。
退会後もアプリに保存した本は、聴くことができますよ。
▼Audible(オーディブル)は無料体験で、いつでも退会できる(Amazonの画像を引用)。