新千歳空港での出来事。
飛行機が無事着陸したのに、短時間で大量に降った雪の影響で動けなくなり駐機場まで移動できず、乗客が機内に閉じ込められるトラブルがありました。
初めての経験だったので、体験談として記事にします。
目次
搭乗した飛行機
搭乗日:2017年3月30日
ジェットスター GK121便
成田空港 出発時刻16:35
新千歳空港 到着時刻18:20
座席 19F
写真は、すべてiPhone 6で撮影。
私はいつも主翼の少し後ろの窓側席に座ります。その理由は過去記事に書いていますので、そちらを参照してください。
もう少し後方席に座りたかったのですが、空席がなかったので仕方なく主翼に近い座席になりました。
飛行機が雪で自走できない
出発前、成田空港でジェットスター職員から新千歳空港の天候状況によっては引き返すこともある条件付きの運行である、と乗客にアナウンスがありました。
▼成田空港を出発するときは、気持ちのいい天気。この時期の関東にしては珍しく朝晩は肌寒く、桜は5分咲きでした。定刻から約1時間遅れで離陸。
▼無事に着陸するも新千歳空港では景色が一変・・・。このときすでに雪が激しく降っていたのを窓から確認。
このまま駐機場まで移動するのですが、途中で止まってしまいました。
機長から「雪の影響で飛行機が自走できず、立ち往生しています」と機内アナウンス。
▼2、3分もしないうちに降り積もる雪で窓の外が見えなくなってしまいました。
機長のアナウンス:「現在、管制塔にトーイングカーを要請してます。大変お忙しいところ誠に申し訳ありませんが、しばらくお待ちください。」
”トーイングカー”って何?
トーイングカーとは?
プッシュバック(英: pushback)とは、航空機に特殊車両を接続して、その動力により後方へ押し出して移動させることをいう。(Wikipediaより引用)
プッシュバックで用いられる特殊車両は、日本では「トーイングトラクター」もしくは「トーイングカー」と呼ばれ、英語では英: pushback truckあるいは英: tugと呼ばれる。(Wikipediaより引用)
”トーイングカー”は、和製英語なのでしょうか?
要するに飛行機を牽引する車ですね。空港の駐機場でよく見かけるアレですよ。飛行機の前輪に金属の棒を引っかけて引っ張るヤツ。どんな車両なのかわからない方は、Googleの画像検索で出てきますので、調べてください。
以前から、あの小さな車で大きな飛行機を引っ張るなんてスゴいなー、と空港の窓から駐機場を眺めていたのですが、調べて見ると、
大型機の牽引に用いられるものは、長さ約 7メートル、幅約 2.8メートル、自重は 40 – 50トン程、エンジン排気量は14,000 – 15,000 cc 程である。また、この作業を行うためには牽引免許の他に航空機機種毎に後進時の旋回半径や切り返し挙動に差があるため、機種毎の社内資格が必要となる。(Wikipediaより引用)
エンジンの排気量が、普通じゃないです。そりゃそうでしょう。あんなデカい飛行機を引っ張るんですから。
でも、これだけの排気量なら自動車税はどうなるんだろうか?いや、そもそも空港の駐機場を走る車に車税がかかるのか?乗客を運ぶバスも含めて、公道を走る車のようなナンバープレートを付けていなかったと思ったけど・・・。
そんな疑問をこの記事を書きながら感じたわけです。
トーイングカーで引っ張ってもらうが・・・
ここからは、時系列でその後の展開をお話しします。
19:20 「トーイングカーが到着。」と機内アナウンス
19:36 ガクンと前に引っ張られる強い衝撃を感じる。
19:41 機長「トーイングカーが雪の影響で動けなくなったので、現在2台目を要請しています。」
まさかの展開に機内では、身内か友人または会社の同僚かに到着が遅れると電話する人たちがいました。
2台で引っ張るのか?それともさらに馬力のある別のトーイングカーを要請したのか?機内からはその様子を伺うことが出来ませんでした。
20:03 機長「トーイングカーの交換が完了しました。」
”交換”ということは、2台で引っ張るのではなく、別のトーイングカーですね。
20:21 再びガクンと前に引っ張られる強い衝撃を感じる。飛行機が動き出した。
▼ゆっくりとではあるが、駐機場へ向けて移動する。
20:29 機長「ターミナルに到着しますが、階段で降りてバスでの移動をお願いします。」
▼ターミナルまですぐそばまで来てるのに、バスでの移動となった。
20:34 1台目のバスが到着。
20:35 客室乗務員「1台のバスに50人まで乗れますが、ターミナルに到着せずにバスの中で待つこともあり得ますので、ご了承ください。50人は出口で我々がカウントするので、それ以降のお客様は2台目のバスが来るまで待つようお願いします。」
▼バス到着後、一斉に立ち上がり出口に向かう乗客。
20:40 機長「現在、新千歳空港では雪の影響でバスの台数が足りないので、2台目、3台目のバスは、もうしばらくお待ちください。」
20:56 2台目のバスが出発。
3台目の到着を待っている間、通路で並んでいた乗客たちが、近くの空いている椅子に座る。立って待つ人は、一人もいない。
冷たい風が機内に入る。寒い。飛行機のドアを開けっ放しなのか?バスが到着するまで閉めたほうがいいでしょ。
20:59 3台目到着。乗客が一斉に立ち上がる。私は最後に機内から降りる。
▼外に出ると、湿った雪が降り積もっていた。
雪が降らない地域にお住まいの方はスゴい量の雪だと思うかもしれませんが、北海道ではそれほどたいした量ではありません。道民の私からすると「え?これくらいの量の雪で飛行機が動かなくなるの?」と機内から外に出た瞬間に思いました。
この日、新千歳空港周辺では短時間に11cmの降雪量があり、約600人が欠航のため足止めされ、空港内で一夜を過ごしたそうです。
21:09 ターミナル到着。
▼着陸から約2時間後、やっと空港ターミナルに到着しました。空港に着陸してから2時間も機内から出られず閉じ込められたままは、精神的に疲れます。この後、札幌での会合に間に合わなかったので、キャンセルに。
上の写真を見ると、ナンバープレートが公道を走る車とは、違いますね。車検はあるの?
さいごに
一言だけ。
飛行機って雪に弱いんだね。