飛行機に乗る際に貴重品やこわれものは、通常なら手荷物として機内に持って行きますよね。
最近は、機内持ち込み手荷物の重量制限や個数に関して、どの航空会社も厳しくなっています。
荷物が重かったり、手荷物の個数が増えるなら、宅急便などの配送サービスを利用するのも一つの方法。
人によっては、送料をケチりたいとか、どうしても自分で持ち運びたいという方もいるでしょう。私もその一人です。
空港のチェックインカウンターで、カメラのレンズを入れたバッグにこわれものタグ(Fragile Tag)を付けてもらい、預け荷物(受託荷物)にした実例を紹介します。
目次
プチプチと養生テープを旅に持って行く
正式名称は「気泡緩衝材」と呼ぶらしいのですが、いわゆる”プチプチ”と養生テープを常に旅行カバンに入れています。
ちなみに、気泡緩衝材のことを一般的に「プチプチ」や「エアーキャップ」などと呼ばれていますが、商標登録なんですね。この記事を書いているときにネットで調べて初めて知りました。
商標と製造企業
メーカーによって「エアキャップ」「プチプチ」「ミナパック」「エアパッキン」「エアクッション」「エアマット」「キャプロン」「エアーバック」等の商標が、一般名称のように使われている。(Wikipediaより引用
)
この記事では、気泡緩衝材を「プチプチ」で表記します。
旅に持って行くテープは、養生テープの他に布テープやマスキングテープ、ビニールテープも持って行きます。
旅先でのそれぞれの用途については、改めて別記事にしますね。
プチプチを留めるには養生テープが一番いい。程よい粘着力で、貼った後に剥がしやすい。
布テープだと粘着力が強力で剥がしにくく、プチプチが裂けてしまうので、再利用ができなくなる。マスキングテープは、テープが細く、貼った後に簡単に切れてしまう。
ガムテープは、使いません。
旅先でいろいろな用途に使ったことはあるのですが、使い勝手が悪いですね。
プチプチを旅に持って行くことになったきっかけは?
なぜプチプチを旅行カバンに入れてるのか?
きっかけは、海外で友人や現地で知り合った人たちから、おみやげとしてワインやウォッカなどの瓶に入ったお酒をもらったことです。
折角いただいたお酒を日本に持って帰るのは難しいという理由で、現地で捨てたり誰かにあげたりするのはどうか、と思い無理矢理持って帰りました。
1本ぐらいなら機内持ち込み手荷物にすることはできますが、本数が多いと重い。
以前は、いただいたお酒を服やタオルでグルグル巻きにして、預け荷物の中に入れていました。
便が割れたことは一度もなかったのですが、何か別ないい方法がないか、と考えて思いついたのが、プチプチを旅に持って行くこと。
それとプチプチで巻いた後に留めるテープとプチプチを切るはさみも常備しています。
プチプチで厳重に梱包する
どれくらいの量のプチプチを旅に持って行くのか?
持って行く量は決めていません。いつも適当です。
少なく持って行き、梱包するときに足りなくなるよりは、多く持って行って余ったほうがいい。
プチプチを使うのは、行くときよりも自宅に帰るときがほとんど。
毎回必ず使うとは限らず、使わない事もあります。
でも、プチプチは、たくさん持って行ってもかさばらないし、重くもない。
▼購入した元箱なしのレンズ6本は、お店で店員さんが1本ずつプチプチで包んでくれます。レンズを購入時の紙袋に入れたまま、その上から持って行ったプチプチでグルグル巻きにしました。さらにこの上から念のためタオルで包みます。
▼使っているのは、Caloics® 速乾タオル。
なぜカメラのレンズを機内に預けることになったのか?
実はこれ、旅先での中古カメラ店で購入したレンズ。購入する予定はなかったのに・・・衝動買いしてしまいました。
私は、行き先や滞在期間の長さによってカメラやレンズなどの撮影機材を重装備、中装備、軽装備の3パターンに分けています。
この記事での出来事は、東京に3泊4日滞在したときのこと。
私は国内ではほとんど撮影することはないのですが(日本国内には興味がなく、海外の写真が大好きだから)、日本に滞在中であってもカメラは常に持ち歩きます。
いつどこでシャッターチャンスに出会えるか、わからないですからね。
3泊4日の東京滞在では、軽装備。最小限の撮影機材やノートパソコン、ガジェット類をカバンに詰め込んで、機内持ち込み手荷物は、9.4kg。
搭乗機は、羽田空港発新千歳空港行きのエアドゥ。
機内持ち込み手荷物は、手荷物の3辺の和が115cm以内(55cm×40cm×25cm以内)で重量が10kg以内のもの1個だけ。
AIRDO(エア・ドゥ):機内持ち込み手荷物
購入したレンズは、全部で7kg。
すでにある機内持ち込み手荷物9.4kgにプラス7kgにはできない。
元々中古レンズを購入する予定はなかったので、機内持ち込み手荷物のカバンは、軽装備用の小さいサイズ。預け荷物にしないで機内持ち込みなら2個になってしまう。
宅急便などの配送サービスを使って自宅に送ることも可能ですが、スケジュールの都合で発送作業もできなかった。だから、自分で持って帰ることにしました。
余談ですが、私にとって東京滞在の楽しみの1つは、中古カメラ店を巡ること。
地方と違い東京は、扱っている中古カメラやレンズの数がハンパない。マジでハンパない。
物量は、東京が世界一。
地方のお店では取扱がなく、お目にかかれない”逸品”が、たくさん売っていますね。
カメラやレンズはネットでも購入できますが、やっぱり店頭で実物を見て触ると、それが中古であっても心が躍ります。だから、衝動買いしました(言い訳です)。
空港のチェックインカウンターで自己申告する
▼羽田空港国内線第2ターミナル。AIRDO(エア・ドゥ)のチェックインカウンターへ行くと、ANAの大型手荷物・特殊な手荷物のカウンターへ行くよう指示されました。
預け荷物が、通常のバッグよりも大型だったからです。
AIRDO(エア・ドゥ)のチェックインカウンターでは、空港スタッフにレンズのことはまだ伝えていません。
▼預け荷物(受託荷物)は、16kg。レンズが7kg。残り9kgが、着替えやアメニティグッズなど宿泊時に必要なもの。荷物に対してバッグが大きすぎるのは、東京へ行くときにお土産をたくさん持って行ったから。帰りはスカスカ状態でした。
チェックインカウンターでは、空港スタッフからお決まりの質問がありますよね。
空港スタッフ:「お荷物の中に貴重品や壊れやすいもの、マッチやライター類などは入っていませんか?」
私:「えー、実は…カメラのレンズが入っていまして…、カバンから取り出して機内持込にすると、10kgを超えるし2個以上になってしまうんです。梱包はしています。」
空港スタッフ:「梱包はしっかりされていますか?万一、壊れてしまっても免責事項なりますので、ご了承の上、こちらに署名をお願いします」
免責事項に署名する
免責事項(めんせきじこう)とは、「不測の事態が生じた場合、商品やサービスの提供者は責任を免れることができる」という意味。
「中身に何かあっても、こちら(この場合は航空会社)は責任をとりませんよ」ということ。
預け荷物(受託荷物)の貴重品・こわれものに関する免責事項に署名することは、つまり、
「すべてはあなたの自己責任となります。納得していただけますよね?」
という確認行為です。
▼預け荷物(受託荷物)の貴重品・こわれものに関する免責事項。ピンクの部分2カ所に署名します。空港スタッフが、蛍光ペンで印を付けてくれました。英語でLIMITED RELEASE(リミテッド・リリース)と書いてあるのが、日本語の「免責事項」。
こわれものタグ(Fragile Tag)を付けてもらう
▼署名後、空港スタッフがバッグに「こわれものタグ」を付けました。中身は、”撮影機材”。FRAGILE(フラジャル / フラジャイル)は、「こわれもの」という意味。
空港スタッフ:「おカバンの状態を上や下、横にした方がいいなど、ございますか?」
そんなことまで聞いてくるのか?と思い、ちょっと驚きました。
日本ならではの配慮ですね。海外でこのような質問は、まずありえないでしょう。
私:「しっかり梱包しているので、大丈夫です。(バッグの)向きは、特にありません」と答えました。
リチウム電池・リチウムイオン電池は、預けることができない
すでに知っている方も多いと思いますが、リチウム電池やリチウムイオン電池は、発火の恐れがあるため預け荷物(受託荷物)にすることは、基本できません。
正確には、リチウム電池やリチウムイオン電池を預け荷物(受託荷物)にすることは可能ですが、条件が細かすぎるので、預け荷物(受託荷物)にすることができない、と覚えておけばいいでしょう。
その他、ニッケル水素電池やアルカリ電池、マンガン電池なども明確な規定はないものの、機内持ち込み手荷物とするよう案内されています。
ANA:手荷物[国内線]/ 制限のある手荷物(機内持ち込み・お預かりできないもの)
私の場合は、レンズだけだったので問題ありませんでしたが、もしカメラ本体を預けるなら、バッテリーは取り外して、機内持ち込みにしましょう。
国内線だから任せられるが、すべて自己責任
購入した中古レンズを預け荷物(受託荷物)にしたのは、チェックインが日本の空港で、搭乗便が日本の航空会社、到着空港も国内でスタッフが日本人だから。
すべてが日本国内だから任せることができました。
しかし、すべて自己責任です。
バッグの中身に何かあっても航空会社に文句は言えません。
ですから、貴重品やこわれものを預け荷物(受託荷物)にする場合は、しっかりと梱包しましょう。
その梱包、やり過ぎだろ、と思われるくらいの厳重な梱包が、ちょうどいい。
▼預け荷物(受託荷物)の貴重品・こわれものに関する免責事項の半券。チェックイン後に空港スタッフから手渡される。到着空港での荷物受取まで紛失しないこと。
海外や国際線では、貴重品を預け荷物(受託荷物)にしない
同じようにカメラやレンズを海外の空港や海外の航空会社、または日本発着の国際線で預け荷物(受託荷物)にするか、と聞かれたら・・・、「絶対にやりません!」と即答します。
理由は2つ。
海外では、乗客の荷物を丁寧に扱わない
日本では考えられないことですが、海外の空港スタッフは乗客の荷物を丁寧に扱いません。
ベルトコンベアに載せるときも”ぶん投げます”。
世界の中で日本だけでしょう。”お客様のお荷物”を丁寧に扱うのは。
海外の空港スタッフが、中身を盗むことがある
これも日本ではまず考えられないことですが、海外の空港スタッフが乗客の預け荷物(受託荷物)から中身を盗むことがあります。
到着して荷物を開けてから、物がなくなっていることに気づきます。
私もかつて1度だけやられたことがありました。
モスクワから成田へ帰国。東京のホテルでバッグを開けたら、ドライヤーと電気ポットがなくなっていました。
鍵はしっかりとかかったまま。どうやって開けたのか?
高価な物ではないのですが、精神的にショックでしたね。
ソビエトが崩壊して経済が混乱していた時代のロシアだったので、ドライヤーや電気ポットは当時の彼らにとっては、貴重品だったのでしょう。
それ以来私は、できるだけ電化製品を預け荷物(受託荷物)に入れないようにしています。
また、目的地の空港到着後は、ロビーでバッグの中身を確認してから、空港を出るようになりました。
さいごに
もしどうしても機内持ち込みにできず、預け荷物(受託荷物)にする貴重品やこわれものがある場合は、迷わず空港スタッフに相談しましょう。
大丈夫です。日本の空港スタッフは、親切・丁寧に対応してくれます。
国内線での貴重品・こわれものを預け荷物(受託荷物)にすることを紹介しましたが、一言。
送料を払って、配送サービスを利用することをオススメします。
その理由は、自分が重い荷物を持って歩かなければならないから。
出発空港まで、そして到着してから自宅まで自分で持って歩かなければならない。
体力に自信があればいいのですが・・・。
お金で解決できることがあれば、お金を払った方が肉体的にも精神的にも楽だし、最終的にはそのことが、自分の時間の節約にもつながります。
ちなみに、預け荷物(受託荷物)にしたレンズは、目的地の空港到着後に中身を確認しましたが、どれも破損なく無事でした。